「Brilliant Classicsのヘンデル”合奏協奏曲”を聴いてみた」

002   最近、随分と春の気配を感じるようになりました。梅の花が咲き、道端にはタンポポがチラホラ顔を出しています。でも、桜の花の蕾はまだ固いようでした。豪雪のために孤立している集落や、雪下ろしに難渋する独り暮らしのお年寄りのためには、春が速やかに来てくれることを願いたいですね。003

 さて、CDを探している時に気になっていた「Brilliant Classics」というレーベルのCDを購入してみました。
 「Brilliant Classics」レーベルからは、”めっちゃめちゃ”安価なCDが多量に発売されています。例えば「Mozart大全集」と銘打ったBox Setでは、CD170枚で11,368円(Amazon)の価格です。
 「えっ???」と思うでしょ?1枚当たりに換算すると約67円です。信じられない価格です!「Haydn作品集」では150枚で17,983円で1枚当たり約120円です。
 これらは”とんでもない価格破壊”ですが、クラシック音楽愛好家には本当に有り難い設定です。しかし、「音質は大丈夫だろうか」とか「演奏の完成度は大丈夫か」あるいは「録音時期はいつなのか」などが気になります。
 確かに、レコード時代にもバロック音楽を中心とした”エラート”のような廉価版(盤)はありましたが、ここまでは安価ではありませんでした。
 で、今回ヘンデルの「合奏協奏曲全集」を購入してみました。CD5枚で1639円です。1枚約328円の勘定です。かつてはCD1枚が2800~3200円の時代があったことを考えると1/10の価格です!昔の値段は何だったのでしょうね。

 さて、その「合奏協奏曲全集」ですが、イギリスより郵送されてきました。もともと「Brilliant Classics」はオランダのレーベルのようです。で、梱包を開いて見ると・・・・紙の粗末なボックスに1枚ずつケースに収めた5枚のCDが入っていました。早速CDケースを開けてみると・・・5枚とも解説書が入っていません。曲名はケースの方に書かれていますが実にあっさりです。よく書店やホームセンターで売られている正体不明のCDのような感じです。
 うまくCDが装置にかかるか試してみました。う~ん、なかなかいい音です。外国でプレスをするからでしょうか。おや、1枚目には「王宮の花火の音楽」と「水上の音楽」が入っていました。しかし、「水上の音楽」はハーティ版やレートリッヒ版があり、どの版で演奏しているか分かりません。ハーティ版でないことは分かりますが、手元にあるピノックの演奏と比べても微妙に曲順が違います。ここでは解説が欲しいところですが。

 演奏は私が好きなネビル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団です。ただし、2~5枚目の合奏協奏曲のCDはアイオナ・ブラウンの指揮となっています。ブラウンはマリナーの次にアカデミー室内管弦楽団を指揮した人です。ちなみに録音年は1993~1995年と記載されていました。

 解説書がないのと関連して、ヘンデルの作品目録番号として使用されるHWVが付されていません。合奏協奏曲は作品3の6曲と作品6の12曲が納められています。演奏と音質は何ら文句のないレベルですが、使用楽器は今風の古楽器(オリジナル楽器とかピリオド楽器と呼ばれる)ではなくモダン楽器のようです。よって、よりリズミカルで心地よい演奏となっています。

 「Brilliant Classics」の他のBox、例えばMozart大全集などのように枚数が多いものでは不良品があると報告されています。その辺の木目の細やかさは他の正規レーベルには及ばないのは仕方ないのかも知れません。
 今回の「Brilliant Classics」の「合奏協奏曲全集」を評価すると、私は満足のいくお得な買い物だったと思いました。もっとも作品3の6曲は、ヘンデルが原曲は作曲しているものも、楽譜商のウォルシュがヘンデルの作品を自由に編曲して出版したと言われるものです。この点はちょっと首を傾げますが、それでも管楽器を多用して面白く仕上げているので楽しめますから良しとしましょう。
 クラシックに興味のない方には関係ない記事かも知れませんが、これから少しでもクラシックを聴いてみようと思われる方は、購入の有力な選択肢ですのでご紹介しました。
 また、今回のヘンデルの「合奏協奏曲全集」は、コレルリの平坦すぎる「合奏協奏曲」に比べて起伏に富んだ音楽に仕上がっています。さすがヘンデルだと思いました。

「フルトヴェングラー”第九”の評価」

Photo   2014年が明けました。ここ福岡県福津市の新年の夜明けは、曇り空ではありましたが雲間からは陽光が遠慮がちに差していました。
 明けましておめでとうございます。月並みですが、ブログを御覧の皆さんへ新年のご挨拶を申し上げます。
 さて、元旦のブログにしては「ベートーヴェンの第九」を取り上げるなんてちょっとズレていると思われるでしょうね(笑)。”第九”の歌声を聴くことは、日本の大晦日の恒例の行事と受け止められていますし、中には合唱団の一員として歌に参加された方もおいでかもしれません。私も大晦日は”第九”の鑑賞をしていました。
 我が家にはBeethovenの交響曲第九番「合唱付き」のCDが3枚あります。1枚は表題のように1941年録音のバイロイト祝祭管弦楽団の演奏したフルトヴェングラー指揮のライブ・モノ盤、2枚目はゲオルク・ショルティ指揮シカゴ交響楽団演奏のもの、3枚目は小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラのライブ盤です。
 私の年代では、世界的な指揮者と言えばカラヤン(1908-1989)やワルター(1876-1962)、ベーム(1894-1981)が指揮者の代表で、フルトヴェングラー (1886-1954)やトスカニーニ(1867-1957)はすでに過去の指揮者で実際に演奏を見聞きすることはできませんでした。それでも、フルトヴェングラーは”20世紀最高の指揮者”として無視することができない存在でした。風貌からして気むずかしい哲学者風で、凜とした自信に満ちあふれた指揮の姿は、今も人を惹きつけます。Photo_2
 そのフルトヴェングラーの”第九”の録音が、デジタル技術により音質が改善されて発売されていることを知り、さらに、従来発表されていた1941年のものだけでなく1945年の録音盤もあるらしくちょっと新しい録音盤に食指が動きました。そこで新復刻版のレビューを見 ると・・・不思議ですね。評価が両極に分かれています。
 私が最初に手にしたフルヴェンの第九は、バイロイト祝祭管弦楽団の1941年のものですが、疑似ステレオ化されたLPでした。音質は、当然他の演奏者の録音よりは悪いものでしたが、その熱い演奏は私を夢中にさせるに十分でした。
 で、昨夜、じっくりとヘッド・フォンでCDの「フルヴェンの”第九”バイロイト祝祭管弦楽団演奏盤」を聴いてみました。なるほど録音状態は悪く、低音が妙に膨らみ、アインザッツの乱れがあり、テンポの揺れが激しく(これがフルヴェンのライブの特徴ですが)アンサンブルが始終乱れ、時にはホルンが音を外します。楽器間の音程が気になる箇所もあり、最後にはテンポが速くなりすぎてシンバルがおっつかなくなって終わります。
 そうなんです。音質はひどいし、演奏のレベルもひどいのです。まず、オーケストラがバイロイト音楽祭のためにドイツ国内から集められた楽員ですし、リハーサルはスタジオ録音ほどは練られていないでしょう。ところが、オーディオに関心があり、音質が気になるはずの私が、途中から音質のことを忘れて、臨場感に溢れた緊張感いっぱいの”音楽の流れ”に乗せられてのめり込んで行ってしまうのです。そういう聴き方をした人がレビューで髙い得点をつけるのでしょうね。しかし、音質が気になり、前時代的で後期ロマン派色むんむんの音楽作りが耳に付く方には、自分勝手な陶酔型の嫌みな演奏と聞こえるのでしょうね。
 ”芸術”というのは、常にそれを受け止める側が評価の主体ですから、このように”評価が割れる”ことは普通だと思います。だから星5つをつける人と星1つの人がいて当たり前と言えば当たり前なんでしょうね。面白くもあり、難しくもある点です。絶対的な判断基準などありませんし、聞き手の音楽的素養にも大いに左右されましょうから。
 今日は長くなりましたから、この辺にしますが、語り始めると切りがない問題なんですよ。ちなみに今回は「フルヴェンの第九」を聴きましたが、CDでよく聴いていたのはショルティ指揮のものでした。「小澤+サイトウキネン」は細部の処理が気になる点があり、バーンシュタイン指揮のものも流れが私に合わないところが感じられました。でも、気分によって聞き分けるというのがいいのかも知れないなあと思う今日この頃です。今、聴きたいと思うのはクーベリック指揮の第九なんですが・・・・・と、こんな風に際限がなくなるのですよね、クラシックを聴き始めると。

2017年4月
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