「Brilliant Classicsのヘンデル”合奏協奏曲”を聴いてみた」
最近、随分と春の気配を感じるようになりました。梅の花が咲き、道端にはタンポポがチラホラ顔を出しています。でも、桜の花の蕾はまだ固いようでした。豪雪のために孤立している集落や、雪下ろしに難渋する独り暮らしのお年寄りのためには、春が速やかに来てくれることを願いたいですね。
さて、CDを探している時に気になっていた「Brilliant Classics」というレーベルのCDを購入してみました。
「Brilliant Classics」レーベルからは、”めっちゃめちゃ”安価なCDが多量に発売されています。例えば「Mozart大全集」と銘打ったBox Setでは、CD170枚で11,368円(Amazon)の価格です。
「えっ???」と思うでしょ?1枚当たりに換算すると約67円です。信じられない価格です!「Haydn作品集」では150枚で17,983円で1枚当たり約120円です。
これらは”とんでもない価格破壊”ですが、クラシック音楽愛好家には本当に有り難い設定です。しかし、「音質は大丈夫だろうか」とか「演奏の完成度は大丈夫か」あるいは「録音時期はいつなのか」などが気になります。
確かに、レコード時代にもバロック音楽を中心とした”エラート”のような廉価版(盤)はありましたが、ここまでは安価ではありませんでした。
で、今回ヘンデルの「合奏協奏曲全集」を購入してみました。CD5枚で1639円です。1枚約328円の勘定です。かつてはCD1枚が2800~3200円の時代があったことを考えると1/10の価格です!昔の値段は何だったのでしょうね。
さて、その「合奏協奏曲全集」ですが、イギリスより郵送されてきました。もともと「Brilliant Classics」はオランダのレーベルのようです。で、梱包を開いて見ると・・・・紙の粗末なボックスに1枚ずつケースに収めた5枚のCDが入っていました。早速CDケースを開けてみると・・・5枚とも解説書が入っていません。曲名はケースの方に書かれていますが実にあっさりです。よく書店やホームセンターで売られている正体不明のCDのような感じです。
うまくCDが装置にかかるか試してみました。う~ん、なかなかいい音です。外国でプレスをするからでしょうか。おや、1枚目には「王宮の花火の音楽」と「水上の音楽」が入っていました。しかし、「水上の音楽」はハーティ版やレートリッヒ版があり、どの版で演奏しているか分かりません。ハーティ版でないことは分かりますが、手元にあるピノックの演奏と比べても微妙に曲順が違います。ここでは解説が欲しいところですが。
演奏は私が好きなネビル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団です。ただし、2~5枚目の合奏協奏曲のCDはアイオナ・ブラウンの指揮となっています。ブラウンはマリナーの次にアカデミー室内管弦楽団を指揮した人です。ちなみに録音年は1993~1995年と記載されていました。
解説書がないのと関連して、ヘンデルの作品目録番号として使用されるHWVが付されていません。合奏協奏曲は作品3の6曲と作品6の12曲が納められています。演奏と音質は何ら文句のないレベルですが、使用楽器は今風の古楽器(オリジナル楽器とかピリオド楽器と呼ばれる)ではなくモダン楽器のようです。よって、よりリズミカルで心地よい演奏となっています。
「Brilliant Classics」の他のBox、例えばMozart大全集などのように枚数が多いものでは不良品があると報告されています。その辺の木目の細やかさは他の正規レーベルには及ばないのは仕方ないのかも知れません。
今回の「Brilliant Classics」の「合奏協奏曲全集」を評価すると、私は満足のいくお得な買い物だったと思いました。もっとも作品3の6曲は、ヘンデルが原曲は作曲しているものも、楽譜商のウォルシュがヘンデルの作品を自由に編曲して出版したと言われるものです。この点はちょっと首を傾げますが、それでも管楽器を多用して面白く仕上げているので楽しめますから良しとしましょう。
クラシックに興味のない方には関係ない記事かも知れませんが、これから少しでもクラシックを聴いてみようと思われる方は、購入の有力な選択肢ですのでご紹介しました。
また、今回のヘンデルの「合奏協奏曲全集」は、コレルリの平坦すぎる「合奏協奏曲」に比べて起伏に富んだ音楽に仕上がっています。さすがヘンデルだと思いました。
最近のコメント